早速なんだけど、色々聞いていいかな。
うん。まず何から始めりゃいいの?
えっとね、「20代の転機」がテーマなんだけど。
でもその前に、おじいちゃんのことをちょっと
教えてほしいなって。
おじいちゃんのこと?
えーっと、まず名前は西田巖。
いわを、って読む。
難しい字なんだよね。
昔、何回も練習した(笑)
そうそう。
えー、年は88。肉体的にはすこぶる健康。
いいことだね~
で、10人兄弟の一番下。
すごいよね。
え、当時でも多い方?
多い方、多い方。
だよね、聞いたことないよ。
じゃあ次は20代の頃について、色々聞きたいな。
20代というと、まあ大学卒業だよなぁ。
勉強はね、あまり好きじゃないからね。
大学んときも就職も、俺はね。
自分で血の滲むような努力をした、っていうのはない。
周りに支えられたんだ。
支えられたんだよ。
ぼんやり生きてきたってことだねえ。
夢とかは?なんかあった?
なんかあったかなぁ・・・
やりたかった事とかないんだ。
うーん、やりたかったことはね、
詩を書くことと俳句を作ること。
好きだったんだ。
これ好きだったの。
俳句は小学校の時作って、新聞に載ったもん。
俳句とかさ、詩はさ、結構今でも作ってるでしょ?
うん。
なんか不思議なもんで、自然に出てくるのね。
そうやって長いことやってるから。
へぇ!
え、じっくり見たことないけど、どんなの書いてんの?
いつも玄関に貼ってあるよね。
俳句の・・・
俳句ちょっと待っててね、取ってくる。